動画広告の種類・配信先を解説|運用型広告で成果を高めるポイント

動画広告は、動画プラットフォームやSNS、Webサイト・アプリ、CTVなど、さまざまな場所に配信できる広告手法です。
動画によって視覚と聴覚の両面から情報を伝えられる一方、配信先やターゲティング、広告の目的によって、適した運用方法や評価すべき指標は異なります。
特に運用型広告では、配信結果をもとにターゲティングや配信面、配信量などを調整しながら、広告効果の改善を図ることができます。
そのため、動画広告で成果を高めるには、クリエイティブだけでなく、配信設計から効果測定までを一体的に考えることが重要です。
本記事では、動画広告の主な種類や配信先、運用型動画広告の仕組み、ターゲティング方法、効果測定の指標を整理し、動画広告の成果を高めるためのポイントを解説します。
- 動画広告の「種類」と「配信先」の違い
- 運用型動画広告の仕組みと、配信環境まで考えるターゲティング
- 目的に合ったKPIの選び方と、成果を高める運用ポイント3つ
動画広告とは?
動画広告とは、動画を活用して商品やサービス、企業などの情報をユーザーに届ける広告です。動画プラットフォームやSNS、Webサイト・アプリなど、さまざまな媒体や広告枠に配信できます。
静止画広告と比べて、映像や音声を組み合わせて情報を伝えられることが動画広告の特徴です。
商品の使用方法やサービスの仕組み、ブランドの世界観など、静止画やテキストだけでは伝えにくい情報も表現できます。
動画広告には、表示される場所や広告の形式によってさまざまな種類があります。また、配信先によってもユーザーとの接点や広告の特性が異なります。
そのため、動画広告を活用する際は、広告の目的やターゲットに応じて、適した広告形式や配信先を選ぶことが重要です。
動画広告の種類
動画広告は、動画コンテンツの中に表示されるものから、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるものまで、さまざまな形式があります。
代表的なものとして、以下が挙げられます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| インストリーム広告 | 動画コンテンツの前後や途中に表示される動画広告 |
| アウトストリーム広告 | 動画コンテンツ以外のWebページなどに表示される動画広告 |
| インバナー広告 | ディスプレイ広告などの広告枠に動画を表示する広告 |
インストリーム広告
動画を視聴するユーザーに対して広告を表示できるため、動画コンテンツとの関連性を持たせながら情報を届けられる点が特徴です。
動画広告の代表的な形式の一つで、動画プラットフォームなどで広く活用されています。
アウトストリーム広告
ユーザーが動画コンテンツを視聴していない場合でも、Webサイトやアプリを閲覧しているユーザーとの接点を作れることが特徴です。
記事の合間や広告枠に表示されるものなど複数の形があり、次に紹介するインバナー動画広告もその一つです。
インバナー広告
Webサイトやアプリ上のバナー広告枠を使って動画を届ける形式です。
アウトストリーム広告の一形態として分類されることもあり、動画コンテンツを視聴しているユーザーだけでなく、幅広いWebユーザーへのリーチを図ることができます。
このように、動画広告は同じ「動画」を使った広告でも、表示される場所やユーザーとの接点によって形式が異なります。
広告の目的に応じて、適した広告形式を選択するとよいでしょう。
動画広告の主な配信先
動画広告は、特定の動画プラットフォームだけでなく、SNSやWebサイト・アプリ、CTVなど、さまざまな環境に配信できます。
主な配信先には、以下のようなものがあります。
| 配信先 | 特徴 |
|---|---|
| 動画プラットフォーム | YouTubeなど、動画を視聴しているユーザーに大規模にリーチしやすい |
| SNS | InstagramやTikTokなど、ユーザーの興味関心などに応じた配信が可能 |
| Web・アプリ | 幅広いWeb・アプリユーザーに動画を届けられる |
| CTV(コネクテッドテレビ) | インターネットに接続されたテレビ端末で動画を視聴するユーザーに届けられる |
このように、動画広告は配信先によってユーザーとの接点や視聴環境が異なります。
そのため、認知拡大を狙うのか、商品・サービスの理解を深めてもらいたいのかによって、向いている配信先も変わります。
なかでもCTVは、テレビに近い視聴環境とデジタル広告の特徴を組み合わせられる配信先の一つです。
CTV広告の仕組みやTVerを活用した広告配信、効果測定については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、動画広告は配信先を選ぶだけでなく、複数のWebサイトやアプリなどにまたがって配信したり、ユーザーの属性や興味関心などに応じて配信対象を設定したりすることもできます。
こうした配信先やターゲットを柔軟に設定し、配信結果をもとに改善していく方法の一つが、運用型広告です。次に、運用型動画広告の仕組みと特徴について解説します。
運用型動画広告の仕組みと特徴
動画広告の配信方法は、大きく「予約型」と「運用型」に分けられます。
予約型は、あらかじめ広告枠や掲載期間などを定めて配信する方法です。一方、運用型は、配信条件や予算などを設定し、配信状況や成果を確認しながら運用を調整する方法です。
運用型動画広告には、YouTube広告やSNS広告など、各媒体の管理画面から出稿する方法と、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)を利用して複数の広告枠へ配信する方法があります。
運用型動画広告の仕組み
DSPを利用したオークション型の動画広告配信は、一般的に以下のような流れで行われます。
-
配信条件を設定する広告主がDSPにターゲティング条件や予算を設定する
-
広告枠が発生するユーザーが動画コンテンツを視聴するタイミングで広告枠が発生する
-
広告枠の買い付けが行われるDSPが条件に合う広告枠へ入札する
-
広告が配信される入札に成功した広告枠に動画広告が表示される
DSPの詳しい仕組みについては、以下の記事で解説しています。

運用型動画広告の特徴
動画広告には、主に以下のような特徴があります。
- 配信対象(年齢・性別・興味関心など)を設定できる
- 配信量や予算を期間中に調整できる
- 配信結果を確認しながら改善できる
- 保有するデータを活用してターゲティングできる
運用型の動画広告は、動画を配信するだけでなく、誰に、どのタイミングで、どの配信面に届けるかを設計できる広告手法です。この設計の自由度が、運用型動画広告の特徴といえます。
動画広告で活用できるターゲティング
運用型動画広告では、広告の目的や届けたいユーザーに応じて、ターゲティング条件を設定できます。
年齢・性別などの属性情報や興味関心、Web上の行動など、利用する媒体や広告プラットフォームが提供するデータを活用することで、配信対象を絞り込んだり、特定のユーザー層へのアプローチを図ったりできます。
主なターゲティングの種類としては、以下のようなものがあります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| デモグラフィック | 年齢・性別などの属性情報をもとに配信対象を設定 |
| 興味関心 | ユーザーの関心領域にもとづいて配信 |
| 行動(リターゲティング) | 自社サイトへの訪問履歴などをもとに、過去に接点があるユーザーへ配信 |
| 位置情報データ | 特定エリアへの来訪者や居住者などを対象に配信 |
例えば、幅広いユーザーへの認知拡大を目指す場合は、年齢や興味関心などの条件を活用し、商品・サービスと親和性の高いユーザーへのリーチを図る方法があります。
また、自社サイトへの訪問者に再度アプローチしたい場合は、リターゲティングが選択肢になります。
位置情報データを活用すると、特定のエリアへの来訪者や居住者など、場所に着目したセグメントへの広告配信も可能です。
商圏内の生活者へのアプローチや、実店舗への来店促進などを目的とする場合に活用できます。
位置情報を活用した広告配信の仕組みや、ジオターゲティングの詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。

ただし、利用できるデータや設定条件は、媒体や広告プラットフォームによって異なります。
また、ターゲティング条件を細かく設定すればよいとは限らず、対象を絞り込みすぎると十分な配信量を確保できない場合もあります。
配信結果を見ながら広げたり絞ったりして調整できるのも、運用型ならではの点です。
配信対象だけでなく、配信面・視聴環境も考慮する
ターゲティングというと、年齢や興味関心など「誰に届けるか」に意識が向きがちです。しかし動画広告では、「どのような配信面・視聴環境で届けるか」によって、ユーザーとの接点や広告の見られ方が変わります。
例えば、TVerなどの動画コンテンツの視聴中に表示される広告と、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告では、ユーザーとの接点や広告が表示される状況が異なります。
また、CTV配信であれば、テレビの大画面でじっくり視聴される環境が想定されます。
そのため、動画広告のターゲティング設計ではターゲティング条件だけでなく、広告の目的に合った配信先や広告枠を選ぶことも大切です。
「誰に届けるか」と「どのような環境で届けるか」を組み合わせて考えることで、広告の目的に応じた配信設計につながります。
動画広告の効果測定で見るべき指標
動画広告の成果を評価するには、広告の配信結果を数値で確認し、当初設定した目的を達成できているかを検証することが重要です。
ただし、重視すべき指標は広告の目的によって異なります。
認知拡大を目指す場合と、商品購入や問い合わせなどのコンバージョン獲得を目指す場合では、確認すべき数値や改善の方向性も変わります。
目的別に見る主な指標
動画広告の効果測定では、主に以下のような指標が活用されます。
| 広告の目的 | 主な指標(KPI) |
|---|---|
| 認知 | インプレッション数、リーチ数、視聴完了率(VCR:広告が最後まで視聴された割合) |
| ブランド理解促進 | ブランドリフト(広告接触者と非接触者の間での認知度・好意度などの差) |
| 獲得 | クリック率(CTR)、コンバージョン数、顧客獲得単価(CPA) |
| 来店促進 | 来店数・来店率(来店計測による評価) |
※各指標の定義や計測方法は、媒体や広告プラットフォームによって異なります。
動画広告の効果測定では、目的とKPIが一致していないケースが見られます。
例えば、認知を目的とした配信であるにもかかわらずCPAだけで評価してしまう、あるいは獲得を目的とした配信であるにもかかわらず視聴完了率だけを見て判断してしまう、といったケースです。
いずれの場合も、本来の目的に対して適切でない指標で評価してしまうことになります。
重要なのは、「広告目的→KPI→配信設計→効果測定」を一貫させることです。
認知が目的であればブランドリフトや視聴完了率を中心に、獲得が目的であればCTRやコンバージョン数を中心に、目的に沿った指標を最初に定めたうえで配信設計を行う必要があります。
接触後の行動も含めて評価する
認知拡大を目的とした動画広告では、クリック数やコンバージョン数だけでは、広告の効果を十分に捉えきれない場合があります。
そのため、直後の反応に加えて、接触後にユーザーがどう動いたかまで見ると、広告の効果を捉えやすくなります。
例えば、広告接触後のWebサイトへの訪問や商品・サービスに関する検索、実店舗への来店などを確認することで、広告の効果を多角的に検証できます。
ただし、接触後に発生した行動が、必ずしも広告によって生じたものとは限らないため、適切な計測方法や評価手法を用いることが大切です。
広告接触後の行動を評価する方法として、来店計測やアトリビューションがあります。詳しくは、以下の記事で解説しています。

効果を高める運用ポイント
運用型動画広告は、配信結果を踏まえてターゲティングや配信条件などを調整し、成果の改善を図れる点が特徴です。
ここでは、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
1. 配信面を横断したフリークエンシーコントロール
同じユーザーに広告を繰り返し配信すると、広告への関心が薄れたり、過度な接触によってユーザーに負担を与えたりする可能性があります。
こうした接触回数を管理する機能が、フリークエンシーコントロールです。
対応するDSPでは、設定した条件に基づいてユーザーへの広告接触回数を制御できます。配信先ごとの接触状況も踏まえながら、広告の過度な表示を抑える運用が可能です。
2. 接触回数に応じたクリエイティブの出し分け
同じ広告を繰り返し配信するだけでなく、ユーザーとの接触段階に応じて異なるクリエイティブを配信する方法もあります。
例えば、初回接触では商品・サービスの認知につながる情報を伝え、複数回接触したユーザーには具体的な特長や利用メリットを訴求するといった設計が考えられます。
接触回数に応じて伝える情報を変えることで、ユーザーの検討段階を意識した広告コミュニケーションにつなげられます。
ただし、こうした出し分けを行うには、利用する媒体や広告プラットフォームが対応していることに加え、接触回数や配信条件に応じた設計が必要です。
3. 配信実績に応じて配信先・予算を最適化する
動画広告の成果は、クリエイティブやターゲティングだけで決まるわけではありません。
配信先ごとの実績を広告の目的に照らして確認し、配信先や予算配分を見直していきます。
単一の指標だけで配信先の良し悪しを判断するのではなく、広告の目的に応じて配信結果を総合的に評価し、その結果を配信設計や予算配分に反映することで、継続的な改善につなげましょう。
まとめ
動画広告には、インストリーム広告やアウトストリーム広告などの種類があり、動画プラットフォームやSNS、Web・アプリ、CTVなど、さまざまな配信先を活用できます。
動画広告の成果を高めるには、広告の目的に応じて配信先やターゲティングを設計するとともに、目的に合った指標で効果を測定することが重要です。
さらに、フリークエンシーコントロールやクリエイティブの出し分け、配信実績に応じた配信先・予算の見直しなどを通じて、継続的に運用を改善していくことが求められます。
動画広告を活用する際は、クリエイティブだけでなく、配信設計から効果測定、改善までを一体的に考え、自社の広告目的に合った運用を目指しましょう。